将棋の千日手と持将棋
将棋の千日手は、盤の上と持ち駒、手番がまったく同じ局面が4回あらわれることです。公式戦では先後を替えて指し直します。ただし連続王手の場合だけは例外です。
千日手:同じ局面が4回で引き分け
盤の上の駒の配置、双方の持ち駒、次にどちらが指すか。この3つがすべて同じ局面が4回あらわれると「千日手」になります。お互いに手を変えると損になり、同じ手順をくり返すしかない場面で起こります。
千日手になると、その対局は勝ち負けがつきません。日本将棋連盟の公式戦では、先手と後手を入れ替えて最初から指し直します。
将棋は先に指す先手がわずかに有利とされるので、後手番の棋士が千日手を歓迎することもあります。指し直しで先手になれるからです。とはいえ、初心者同士の対局で千日手になることはめったにありません。
連続王手の千日手は、王手をかけた側の負け
千日手には1つだけ例外があります。同じ局面が4回あらわれるまでの手順で、片方の手がすべて王手だった場合は、王手をかけ続けた側の負けです。逃げ続けるしかない相手に、王手をくり返して引き分けに持ち込むことはできません。
大切なのは「すべて王手」という条件です。王手をかけた局面がくり返していても、その間に王手でない手が1手でも入っていれば、ふつうの千日手(引き分け)になります。このサイトの判定も、この決まりに従っています。
入玉:玉が敵陣に入ると詰みにくくなる
玉が相手側の奥3段(敵陣)に入ることを「入玉(にゅうぎょく)」といいます。将棋の駒は前に進むのが得意で後ろへ下がるのが苦手なので、敵陣の奥にいる玉を後ろから追い詰めるのはとても大変です。
両方の玉が入玉すると、どちらも相手を詰ませる見込みがなくなることがあります。そのときに勝ち負けを決める、あるいは引き分けにする決まりが「持将棋(じしょうぎ)」です。
持将棋と点数の数え方
持将棋では、盤の上の駒と持ち駒を点数で数えます。玉は数えません。
| 駒 | 点数 |
|---|---|
| 飛車・角(竜・馬も同じ) | 1枚5点 |
| 金・銀・桂馬・香車・歩(成った駒も同じ) | 1枚1点 |
詰ませる見込みがなくなったとき、両者が合意すれば点数で決めます。代表的なのが「24点法」で、両者とも24点以上なら引き分け(公式戦では指し直し)、24点に足りない側の負けです。大会によっては27点法を使います。28点以上ある側の勝ちで、27点ずつに分かれたときは、指し直しにするか後手の勝ちにするかを大会ごとに決めます。合意できないときのために、条件を満たした側が宣言して決着をつける「入玉宣言法」や、手数が500手に達したら点数に関係なく持将棋(指し直し)とする決まりもあります。
日本将棋連盟の対局規則の入玉宣言法は、点数で決めることに合意できず、手数が500手に満たないときに使えます。宣言する側が自分の手番で指し手を止め、「宣言します」と言って時計を止めます。条件は、宣言する側の玉が敵陣に入っていること、敵陣にある自分の駒が玉のほかに10枚以上あること、玉に王手がかかっていないことです。そのうえで、敵陣の駒と持ち駒を数えて31点以上なら宣言した側の勝ち、24〜30点なら指し直しになります。1つでも条件を満たしていないのに宣言すると、宣言した側の負けです。アマチュアの大会では、先手28点・後手27点以上で勝ちとするなど、別の点数を使うこともあります。
このサイトでの千日手と入玉
- 千日手:同じ局面が4回で引き分け。連続王手の千日手は、王手をかけ続けた側の負け
- 入玉宣言や、点数を数えて持将棋にする仕組みはありません。AIも入玉宣言はしません
- お互いに入玉して詰ませられなくなったら、投了するか、AIと対局なら「新規対局」で始め直してください
よくある間違い
- 同じ局面が3回で千日手だと思う。千日手になるのは4回目です
- 盤の駒の並びが同じなら同じ局面だと思う。持ち駒と手番まで同じでなければ、別の局面として数えます
- 連続王手の千日手で、逃げ続けた側が負けだと思う。負けになるのは、王手をかけ続けた側です
- 持将棋の点数に玉も入れてしまう。玉は数えず、大駒5点・小駒1点で数えます
確認問題
問1同じ局面が3回あらわれました。これで千日手ですか。
答えまだ千日手ではありません。千日手になるのは、同じ局面が4回あらわれたときです。
問2先手が王手をかけ続け、後手が逃げ続けて、同じ局面が4回あらわれました。結果はどうなりますか。
答え王手をかけ続けた先手の負けです。連続王手の千日手は引き分けにならず、王手をかけていた側が負けになります。
問3お互いに入玉し、両者の合意で24点法の点数を数えることになりました。玉のほかに、飛車1枚・角1枚・金2枚・歩10枚があります(成った駒はなし)。何点で、結果はどうなりますか。
答え22点です。飛車と角が5点ずつで10点、金2枚と歩10枚が1点ずつで12点です。24点に足りないので負けになります。
この章のまとめ
- 盤・持ち駒・手番が同じ局面が4回で千日手。勝ち負けはつかない
- 一方の手がすべて王手なら、王手をかけ続けた側の負け
- 玉が敵陣に入るのが入玉。両方が入玉すると持将棋になることがある
- 持将棋は大駒5点・小駒1点で数える。このサイトに入玉宣言はない
わからない言葉は、将棋の用語集で調べられます。
最終更新日:2026年9月28日