将棋の成り
将棋の成りは、駒が相手側の奥3段である敵陣に入ったときなどに、駒を裏返して強い駒に変えるルールです。玉と金は成りません。盤上で成った駒は元に戻せません。
敵陣は相手側の奥3段
自分から見て奥の3段、つまり先手なら一段目から三段目、後手なら七段目から九段目が「敵陣」です。相手の駒が最初に並んでいる3段と同じ場所です。
成れる3つの場面
駒は、次の3つのどれかに当てはまる手を指したときに成れます。動かす前か後のどちらかが敵陣にあれば成れる、と覚えるとかんたんです。
- 敵陣に入るとき(外から敵陣へ)
- 敵陣の中で動くとき
- 敵陣から出るとき(敵陣から外へ)
成れるのは飛車・角・銀・桂馬・香車・歩の6種類です。玉と金は成りません。成った駒は裏返し、表と違う文字の面を上にします。
成った駒の動き
| 元の駒 | 成ると | 動き |
|---|---|---|
| 飛車 | 竜(龍王) | 飛車の動き+斜めに1マス |
| 角 | 馬(龍馬) | 角の動き+縦横に1マス |
| 銀 | 成銀 | 金と同じ |
| 桂馬 | 成桂 | 金と同じ |
| 香車 | 成香 | 金と同じ |
| 歩 | と金 | 金と同じ |
竜と馬は大駒の動きをそのまま残して、苦手だった方向に1マスずつ動けるようになります。銀・桂馬・香車・歩は成るとみな金と同じ動きになり、とくに歩が成った「と金」は、取られても相手には歩1枚しか渡らない、とても得な駒です。
成らない選択(不成)
成れる場面でも、成らずにそのままの駒でいることを選べます。これを「不成(ならず)」といいます。
飛車・角・歩は、成って困ることがほとんどないので、成れるときはふつう成ります。いっぽう銀は、成ると金の動きになって斜め後ろへ下がれなくなるため、あえて成らないことがよくあります。桂馬や香車も、場面によっては成らないほうが相手の玉に近づきやすいことがあります。
一度「成らない」を選んでも、成るチャンスがなくなるわけではありません。その駒が次に敵陣の中で動くときや、敵陣から出るときに、あらためて成れます。
必ず成らなければいけない場合
成らないと次から一歩も動けなくなる場所では、必ず成ります。歩と香車は一段目(相手側のいちばん奥)、桂馬は一段目と二段目です。成らないまま置くと「行き所のない駒」という反則になります(反則)。
一度成った駒は、盤の上では元に戻せません。ただし相手に取られると、元の駒に戻ってから相手の持ち駒になります。
よくある間違い
- 敵陣の外だけで動いた手で成ってしまう。動く前か後のどちらかが敵陣の中でなければ成れません
- 持ち駒を敵陣に打った、その手で成ってしまう。打った駒は、次に動かすときから成れます
- 金や玉を裏返そうとする。金と玉には裏の面がなく、成れません
- 敵陣から出る手でも成れることを忘れる。敵陣から外へ下がる手でも成れます
- 成った駒を、盤の上で表に戻す。盤の上では元に戻せません。元に戻るのは相手に取られたときだけです
確認問題
問15五の銀を4四へ動かします。この手で銀は成れますか。
5五の銀が4四へ。色の付いたところが敵陣 答え成れません。動く前の5五も、動いた後の4四も敵陣(一〜三段目)の外だからです。
問2持ち駒の銀を2二に打ちました。次の手でその銀を1一へ動かすとき、成れますか。
答え成れます。打った手では成れませんが、次に動かす手は「敵陣の中で動く」手なので成れます。
問3歩を一段目へ進める手で、「成らない」を選べますか。
答え選べません。成らない歩は一段目から先へ一歩も動けなくなるので、必ず成ってと金になります。
この章のまとめ
- 敵陣は相手側の奥3段。入る・中で動く・出るときに成れる
- 成れるのは飛車・角・銀・桂馬・香車・歩。玉と金は成らない
- 飛車は竜、角は馬に。銀・桂馬・香車・歩は成ると金の動きになる
- 銀などは成らない選択もある。動けなくなる場所では必ず成る
わからない言葉は、将棋の用語集で調べられます。
最終更新日:2026年9月28日